世界トップ企業の社会貢献の現状

CECP(企業の社会貢献促進委員会)とThe Conference Boardが、2015年版の「数字で見る企業寄附」報告を発表しました。これは、CECPが中心となって毎年、トップクラスのグローバル企業271社を対象に実施している調査です。

報告によると、調査対象の56%が企業の社会貢献活動を強化しているが、全体としては寄付額は横ばいでした。平均寄付額は1850万ドル、これは平均して企業収入の0.11%にあたります。内訳を見ると、34%が企業財団を通じた寄附、49%が直接寄附、27%がサービス・現物寄附(プロボノを含む)となっています。寄附対象としては、29%が教育、25%が保健・社会福祉、15%がコミュニティと経済開発です。

また、従業員のボランティア活動も積極的に推進しており、マッチング寄附を導入しているのが90%、ボランティア休暇を導入しているのが60%と高い率を示しています。従業員の寄附に対するマッチング寄附は、平均値で企業寄附の12%を占めています。

今回の報告で明らかになったことは、企業の社会貢献において、現金寄附の伸びが弱まり、プロボノ支援やサービス・現物寄附などが強化されている点です。また、従業員のボランティア支援も活発化しています。これをどう判断するかは議論の余地がありますが、企業の社会的責任という大きな枠の中で捉えたとき、単なる資金提供ではなく、企業が本来持つリソースを活用して社会に貢献していく志向を強めていることは、持続可能性の点からも、またインパクトの点からも歓迎すべきことではないかと思います。

もうひとつ、注目すべき点は、社会貢献活動の成果を測定する企業の割合が、77%から85%へと大幅に増加している点です。少なくとも、企業寄附の一つについて社会的成果の測定を行っている企業は70%に上ります。社会的インパクト測定の普及は、政府よりもこうした企業の社会貢献活動の成果測定から広がっていくのかもしれません。

ご関心のある方は、以下のサイトで詳細を見ることが出来ます。

http://cecp.co/pdfs/giving_in_numbers/GIN2015_FINAL_web.pdf

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