G8社会的インパクト投資タスクフォース報告のさらなる展開

G8社会的インパクト投資タスクフォースは、昨年、ロシアを除く7カ国の国別報告と、総合報告を提出し、主要先進諸国における社会的インパクト投資の発展に向けた総合的な政策を打ち出しました。日本でも、その後、フォローアップのための政策提言が日本財団の手により公開されています。

こうした中、2000年代初頭から社会的投資を政策的に牽引し、G8社会的インパクト投資タスクフォースでも中心的な役割を果たした英国の主要メンバーが、各国の報告を分析した上で、英国において、さらに社会的インパクト投資を推進するための論考を欧州ベンチャー・フィランソロピー協会のウェブサイトに掲載しました。

これは、各国で取り組まれている様々なベスト・プラクティスを、英国内でも実現して、社会的インパクト投資をより拡大していこうという提案で、非常に具体的な項目が列挙されています。たとえば、金融セクターの人材を活用するためのフェローシップ制度やプロボノ・サポートの制度化、社会的インパクト投資のための新たなビザ・ステイタスの設立、社会的投資を義務づけるためのチャリティ法の改正や税制の改正などなどです。日本の報告からは、企業主導による社会的インパクト投資(三菱復興支援財団の事例ですね)をいかに英国でも導入するか、が検討されています。

すべての制度に言えることですが、社会的インパクト投資を進めていく上でも、正解はありません。各国の制度やマーケットの状況、ニーズなどに応じて、様々な試行錯誤とステイクホルダー間の議論の積み重ねを通じて、より望ましい制度を構築していくしかないのです。その上で、ということですが、英国のように制度的に最も進んだ国でも、さらにこれを前進させていこうという姿勢には頭が下がります。これから、世界の社会的インパクト投資の牽引役として頑張ってほしいですね

http://evpa.eu.com/blog/learning-from-others-what-uk-social-investment-can-learn-from-its-international-partners/

Share MeFacebooktwitterlinkedinmailby feather

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。