社会的起業からインパクト起業へ

ロックフェラー財団は、社会的インパクト投資と言う概念を提唱し、社会的インパクト投資の普及に向けた取り組みにおいて、中心的な役割を果たしてきました。そのロックフェラー財団が、新たに、インパクト起業(Impact Enterprise)に対するインパクト推進者(Impact Accelerators)を通じた支援という新たなコンセプトを提唱しています。

インパクト起業というのは、社会的起業の発展概念として提唱されたものです。社会的な課題にビジネスの手法で取り組むのが社会的起業だとすると、社会的課題の解決に向けてビジネスの手法を活用してインパクトを追求するのがインパクト起業です。そして、これをサポートする中間支援組織がインパクト推進者になります。

ロックフェラー財団が、このコンセプトを提唱した背景には、「社会的インパクト投資」という、いわば資金供給側のシステムがどんどん整備されていく一方で、この資金を受け取って実際のインパクトを追求する資金需要側のシステムが整備されていないという問題意識があります。社会的インパクト投資市場における供給政策から需要政策への転換と言い換えても良いでしょう。

これを実現するために、ロックフェラー財団は、キャパシティ・ビルディング、ネットワーキング、直接支援、エコシステム構築の4つの分野での支援を提案し、さらに、グローバルに活動するインパクト推進者のマッピングを進めています。これを通じて、ソーシャル・セクターのスケールアップ支援の手法がさらに洗練されることが期待されます。これは、戦略的グラント・メイキングの新たなスタンダードになりそうですね。

https://www.rockefellerfoundation.org/report/accelerating-impact-exploring-best-practices-challenges-and-innovations-in-impact-enterprise-acceleration/

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