NPOであれ社会的企業であれ、スタートアップから自立化、スケールアップへと組織を発展させていくことは本質的な問題です。これを支えるために、これまで様々なキャパシティ・ビルディング手法が開発されてきました。運営管理費支援から始まって、人材育成やテクニカル・アシスタンス、ベンチャー・フィランソロピー、さらにスケールアップのための社会的投資に至るまで、キャパシティ・ビルディングの手法の発展の歴史は、グラント・メイキングの発展において中核的な意味を持っています。
こうしたキャパシティ・ビルディング支援において、米国で中心的な役割を果たしてきた老舗のコンサルティング団体、TCCグループが、最近、「キャパシティ・ビルディング 3.0」というユニークな報告を発表しました。
これによると、キャパシティ・ビルディング支援は、現在、個人の能力や技術の向上を目指した「キャパシティ・ビルディング 1.0」、組織能力の向上や事業効果の向上を目指した「キャパシティ・ビルディング 2.0」というステージを経て、組織がネットワークや協働などを通じてインパクトを拡大する能力の向上を目指す「キャパシティ・ビルディング 3.0」の時代に入りつつあるということです。
この議論の面白い点は、最近のコレクティブ・インパクトやCSV、アドボカシー志向のネットワークなどのトレンドを踏まえて、これに応じたキャパシティ・ビルディング支援手法を全面的に打ち出している点です。確かに、NPOの戦略が変われば、それに応じてキャパシティ・ビルディング手法も変わらなければなりません。特に、財団や公的機関など支援側の発想の転換を迫っている点で重要だと感じました。
具体的な支援手法については、ぜひTCCグループの一連のレポートを読んで頂きたいと思いますが、エコ・システムの構築、組織変革支援、セクターを超えた協働支援など、従来のキャパシティ・ビルディング支援では取り上げられなかった手法が議論されていて興味深いです。
日本でも、様々な中間支援組織が活動を展開しています。その中には、社会的起業家やソーシャル・イノベーターのハブ機能を果たす団体も登場しています。こういうところから、ぜひ「キャパシティ・ビルディング 3.0」の日本型手法を生み出していってほしいですね。
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