ホワイトハウスで金融包摂フォーラム開催!

「金融包摂(Financial Inclusion)」という言葉、日本ではまだ一般的ではありませんが、金融を通じた社会包摂の促進を目指す取り組みとして、世界中で注目を集めています。今までは、主として開発途上国におけるマイクロファイナンスが、金融包摂の中心と見なされてきましたが、近年は、先進諸国にも普及し、先進諸国の貧困や社会的排除を打開する有力なツールとなる可能性が指摘されています。

こうした流れを受け、12月1日にホワイトハウスで、主要関係者を招いたフォーラムが開催されました。主催団体は米国財務省とUS AIDです。フォーラムではジェイコブ・ルー財務省長官が「我々の努力を倍増してグローバルなスケールで金融包摂に向けた進歩を加速する」ことを表明し、これに応えて、参加者から10の新たなイニシアチブが発表されました。

イニシアチブには、JPモルガン・チェイスとゲーツ財団が、テクノロジーを活用した新たな金融包摂サービスを立ち上げるのを支援するカタリスト基金の設置や、ペイパルの中小企業向けオンライン・ローン・サービス、コカコーラ財団による米国南東部の貧困女性向けの金融包摂トレーニングプログラムなど、ユニークなプロジェクトが並んでいます。

ホワイトハウスが主導し、このように民間企業・財団を巻き込んだ形でプロジェクトが立ち上がることにより、今後、米国を中心に「金融包摂」を通じた貧困・社会的排除の打開に向けた取り組みが進められることが期待されます。同時に、これは、先進国における新たなBOPの金融市場を開拓しようという意味も持つでしょう。こうした新たな流れに、日本政府と金融セクターがどのように反応するのか(あるいはしないのか)、気になるところです。

https://www.treasury.gov/press…/press-releases/…/jl0289.aspx

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