韓国で発展するソーシャル・イノベーションのエコシステム

社会的インパクトの波は確実にアジアにも広がっています。お隣の韓国は、いち早く社会的企業法を制定し、社会的インパクト債も立ち上げるなど、官民共に、ソーシャル・イノベーションの推進に取り組んでいます。もちろん、その背景には、OECD入りを果たした後に経済が低迷し、若年層を中心に大量の失業者がいるという現実があります。

アジア財団の「社会的企業は、韓国の失業危機を除去する成長エンジンになりうるか」という記事は、韓国の社会的企業の現状を分析し、この問題に取り組む韓国の社会的インパクト・コンサルティング会社メリー・イヤー・ソーシャル・カンパニー(mysc)の事例を取り上げていて読ませます。

記事によると、現在、韓国の認定社会的企業数は1,550にのぼります。これら認定社会的企業は政府からの補助金を受けることが出来ます。ソーシャル・ベンチャーの雇用者数は推定約28,000人、うち16,000人近くが障害者や貧困層とのことです。また、韓国の社会的企業は、韓国国際事業団(KOICA)の支援も得て、東南アジアにも進出していて、盛り上がりを感じさせます。

その中で、myscは、初の社会的インパクト・コンサルティング会社として、企業、政府と連携しつつ、社会的インパクト債を立ち上げたり、初の社会的インパクト投資機関としてソーシャル・ベンチャーに資金を提供したり、起業家向けインキュベーション支援を行ったりしているとのこと。さらにKOICAと協力して、カンボジア、インドネシア、ベトナムのソーシャル・ベンチャー支援にも取り組んでいるようです。既に、インキュベート支援を行った団体は85にのぼり、ソーシャル・イノベーションのためのデザイン思考ワークショップを500回以上開催するなど、活発に活動しています。

EUやOECDでは、社会的企業を促進する政策が組織的に進められています。韓国でも、開発援助や社会的投資まで含めて、社会的企業の成長に向けた取り組みが進められています。myscのような中間支援団体が登場し、さらに同様の団体が活動を開始することで、さらなる成長に向けたエコ・システムが生まれてくるでしょう。お隣の韓国がどのようなソーシャル・イノベーションの成長モデルを作り出していくのか、期待できそうですね。

http://asiafoundation.org/…/social-enterprises-a-growth-en…/

Share MeFacebooktwitterlinkedinmailby feather