以前、この情報ボックスでプラットフォーム型協同組合についてご紹介しました。共有経済(Sharing Economy)とITプラットフォームを協同組合と結合させることで、新しい経済を生み出そうというこの考え方に基づき、新たなイノベーション、Coopifyが立ち上がりました。
Coopifyは、米国ベンチャー・フィランソロピーの先駆者ロビンフッド財団とコーネル・テックが開発した新たな情報プラットフォームです。目的は、ニューヨーク各地で活動しているワーカーズ・コレクティブと消費者をつなぐこと。現在、ニューヨークでは、環境に配慮した洗剤を使ってホームクリーニングを行うワーカーズ・コープが活動していますが、利用者が簡単にこういうワーカーズ・コープを見つけてサービスを注文できるようにするプラットフォームです。
こういうサービス・マッチ型のプラットフォーム、もちろん世の中には大量に存在しますが、Coopifyのユニークな点は、ワーカーズ・コレクティブのメンバーの視点に徹底的にこだわったこと。ワーカーズ・コレクティブのメンバーは、ヒスパニッシュ系の移民が多くて英語がうまく話せませんし、高等教育を受ける機会も限られているため、テクノロジーの運用能力も低いというのが現状です。Coopifyは、こういう人達でも、簡単に自分たちのサービスを発信し、注文を受け付けることが出来るプラットフォームづくりを心がけた結果、まさにプラットフォーム型協同組合のモデルとなるものが完成しました。
このサービス、今後、半年間の試行期間を経て、実際に導入される予定とのこと。仮に本格的に導入され、多くのワーカーズ・コレクティブに開放されると、大きなインパクトをもたらしそうです。というのも、ワーカーズ・コレクティブは、従業員全員が経営に参加し、利益を分配するという点で、ワーキング・プアから脱却することが出来るユニークなモデルである反面、逆にこのためにマーケティングやスケールアップが難しいという制約があるからです。Coopifyはこの制約を解決し、小規模なワーカーズ・コープでも、簡単にマーケティングを行うことができるようになるため、市場の拡大が期待できます。
発展を続ける共有経済。ITテクノロジーをソーシャルな目的に活用する様々な可能性を開拓しています。
http://community-wealth.org/…/coopify-new-platform-bringing…