米国では、ガイドスター、BBBワイズ・ギビング、チャリティ・ウォッチなど、寄付判断のためのNPOレーティング情報サイトが発展しています。NPOにとって、このレーティング情報は、ファンド・レイジングにおいて死活的な重要性を持ちます。
その中でも、最も影響力のあるもののひとつ、チャリティ・ナビゲーターが、改訂版のレーティング基準を近々導入するとニューヨーク・タイムズ紙が報じました。新たな基準であるCN3.0は、昨年の8月に基本的な方向性が示され、その後、専門家によるタスクフォースが結成されてヒアリングと検討が進められていましたが、ようやくその成果の一部がまとまったようです。
記事によると、変更点は主にNPOの財務情報に関する以下のものです。
1.事業費、管理費、ファンドレイジング経費の計算を、従来の直近1年のみから過去3年間の平均値に変更。これにより、毎年の支出変動によるレーティングの変化を抑制。
2.資産に対する債務比率をレーティング基準に追加。これにより、債務超過の危険性をいち早く察知できるように。
3.運営管理費のスコアリング基準を改訂。これにより、運営管理費を0%にしなくても、満点の10点を取ることが出来るようになる。
こうした変更により、19%のNPOのレーティングが上昇し、8%のNPOのレーティングが下降すると言うことです。残りのレーティングは変更がありません。
なお、レーティング基準項目のもう一つの柱である「説明責任と透明性」については特に変更はありません。記事によると、今回の変更に対する専門家の意見は、「レーティング基準は確実に改善された」とおおむね肯定的なようです。
チャリティ・ナビゲーターのレーティング・システムは、星の数0から4までの5段階評価です。運営管理費が少ないことを、NPOの運営の効率性の指標として重視していたため、従来、NPOセクターからの批判を浴びてきました。また、そもそも、活動の内容や質に踏み込まずに、「財務状況」「説明責任と透明性」の2点のみの情報によるレーティングに対する不満もあります。
なお、CN3.0と言う新たなレーティング基準では、上記の2つの柱に「成果報告」が加えられる予定です。この部分は、現在、R&D段階と言うことで、特に触れられませんでしたが、この点についても、今後の開発が待たれます。タイムズの記事は以下のサイトで読むことが出来ます。
http://www.nytimes.com/…/charity-navigator-tweaks-its-ratin…