SDGsの成立を受け、持続可能な社会の実現に向けて、様々なプロジェクトが進行しています。グローバル企業もグリーン製品の開発や、工場からの排出削減を強化し始めました。確かにこれは重要ですが、実現には巨額の資金を必要とします。オープン・ソースを最大限に活用し、低コストで普及しやすいテクノロジーや製品を開発することは出来ないでしょうか。
このような問題意識から生まれたのがPOC21というプロジェクトです。欧州のシンクタンク、財団、企業からの支援を得て立ち上がったこのプロジェクト、毎年、パリ近郊の古城に100名以上のイノベーターが集まって、5週間の集中トレーニングを受け、持続可能なライフスタイルを生み出す製品を開発しようというプロジェクトです。
昨年、第1回が開催されたこのプロジェクト。既に12の製品が生み出されました。そのラインナップがユニークです。
ピクニックに持って行ける携帯型の太陽光発電システム。超強力な太陽光オーブン。高品質のフィルターを搭載して水の消費を最小限に抑えた循環型シャワーシステム。超小型の家庭用温室(各種野菜栽培可能!)。冷蔵庫なしで野菜を保存でき、しかも野菜くずはそのまま自然肥料に転換することが出来るキッチン・システム。ガラクタを素材に1機30ドルで作れる風力発電機などなど・・・。
見ているだけで、楽しくなるユニークなイノベーションですね。しかも、低価格。POC21は、今後、これらをオープンリソースの形で公開し、全世界への普及を図っていくとのこと。そのターゲットは、グローバル企業ではなく、市民が主導するコミュニティ・ビジネスや社会的企業です。
オープン・ソースとテクノロジーとソーシャル・イノベーションを結合しようという今回の試み。これからどう発展していくか、楽しみです。