フード・フィランソロピーは新たなトレンドになるか?

インサイド・フィランソロピー誌が、フード・フィランソロピーとクリエイティブな場所づくりを結合した新たな支援手法の拡がりを報じています。記事が取り上げているのは、米国ミシガンに拠点を置くクレスゲ財団の「ローカルフード・イニシアチブ」です。「コミュニティ再生のためのクリエイティブなプラットフォームとして食料を活用する」プロジェクトを支援しようというもの。クレスゲ財団が、事業を公募したところ、全米500以上の団体から応募が殺到し、結局、26団体を選んでそれぞれ75000ドルの支援を開始したとのことです。

クレスゲ財団自身も500以上の応募が殺到するとは予想していなかったようなのですが、応募団体の内訳を見ると、ファーマーズ・マーケットや日曜菜園、地域フード・ハブなど、多様な団体がこの領域で活動していることが判明しました。彼らの中には、ローカル・フードとローカル・アートを組み合わせて、地域の活性化に取り組んでいる団体もあるとのことです。

「ローカルフード」のメリットは多様です。まともな食料品店が近くにないため健康的な食事を取ることが出来ない貧困コミュニティに、ローカル・フード・バスのような巡回型の食料品流通システムを提供すれば、彼らの栄養状況は劇的に改善します。ローカルフードが盛り上がれば、地産地消を通じて地域内の農業生産は向上します。地産地消は、長距離輸送に伴う二酸化炭素排出にもつながります。日曜菜園が都市部に発達すれば、都市の緑化も進みます。

こうしてみてくると、ローカルフードは、SDGsが掲げる気候温暖化防止、貧困層の栄養状況改善、地域コミュニティの再生、格差解消など、多様な分野に貢献するツールなのです。さらに、これをローカル・アートと組み合わせてコミュニティの核となるアート・プレイスを開発し、その周辺にギャラリーやレストランを集積させることが出来れば、地域コミュニティの経済開発にもつなげることができます。

この情報ボックスでは、ロックフェラー財団の「フードロス」イニシアチブも何度かご紹介していますが、クレスゲ財団の「ローカル・フード」イニシアチブも面白いですね。アメリカの大型財団が、人間の生活の基本になる「食料」の問題に着目して、従来型の「チャリティ(慈善)」ではなく、多様な社会課題を解決する「戦略的グラントメイキング」の手法でこれに取り組もうとしているトレンド、今後要注目です。

http://www.insidephilanthropy.com/…/an-interesting-twist-in…

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