FinTechを超えて:クレジットにインパクトをもたらす新事業

シンガポールに拠点を置くIIXは、世界初の社会的証券取引メカニズムを導入するなどユニークな活動を行うソーシャル・ファイナンス組織です。このIIXが、「FinTechを超えて」という記事を発表しました。さすがIIX、面白い内容です。

FinTechは、日本でもブームになっていますが、そのほとんどは既存の個人向け金融サービスの改善や効率化の枠内に留まっているという印象をぬぐえません。しかし、FinTechは、テクノロジーを最大限活用することで金融包摂を促進することが出来る強力なツールでもあります。

実際、開発途上国では、モバイル通貨やモバイル銀行口座などを通じたマイクロファイナンスが急速に普及しています。これは、従来、金融サービスから排除されてきた貧困層やマイクロ事業者のエンパワーメントに大きな威力を発揮します。実は、先進諸国でも同様の取り組みが進められています。

このような動きを踏まえて、IIXが立ち上げようとしているのが「インパクト・クレジット」という新たな枠組み。中小企業向けデット・レンディングのプラットフォームを設立し、相互扶助的な金融システムを構築しようというものです。FinTech時代の「講」システムとでも言えるでしょうか。但し、対象をインパクトの高い起業家に絞ることで、コミュニティ形成とインパクト投資市場の形成をあわせて実現しようとしている点が、IIXらしいと言えるでしょう。

このモデル、アジア発の新たなビジネス・モデルになるか、注目されます。

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