フェアートレード運動が衣料品業界にも拡大

先日、バングラデシュのビル崩壊事故について紹介しました。死者数は800名を超えたそうです。本当に痛ましい事故でした。この事故については、ニューヨークタイムズがその後も続報を続けています。今回の記事は、バングラデシュの事故を契機に高まりつつあるフェアートレードの動きについて。

フェアートレードと言えば、コーヒーなどの一次産品がすぐに思い浮かびますが、衣料品メーカーの間にもこの動きが広がっているようです。例えば、大手の衣料メーカーが「持続可能な衣料メーカー連合」を組織し、内部使用ではありますが、公正な貿易に向けての指標を作成・共有しているとか、米国フェアートレード協会が衣料品向けのガイドラインを作成中であるなどの事例が紹介されています。もちろん、フェアートレード商品の開発とか、衣料品の製造地表示などに向けた取り組みも紹介されています。

低価格を志向するのは消費者の性のようなものです。しかし、その結果が、国内的にはデフレと産業の空洞化を招き、海外では、スェットショップなどの低賃金・過酷労働(時には児童労働)に結びつくという理解が広まれば、少し高くても適正な価格を払おうという動きが生まれるでしょう。結局、それは、世界経済全体の好循環を招いて、消費者にも利益が還元されることになるのです。こういう議論、ぜひ日本のメディアも積極的に取り上げてほしいですね。

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