ビッグ・データを活用した開発協力:国連グローバル・パルス・チームの挑戦

ニューヨーク・タイムズが、国連グローバル・パルス・チームを紹介していて面白かったのでシェアします。

ビッグ・データは、開発協力にも活用できるでしょうか。既に、災害、疫病、戦乱などの際の被害状況のマッピングに、モバイルは活用されています。また、汚職や人権侵害などの情報を特定のプラットフォームに集約してモニタリングするシステムも試みられています。しかし、これらは事後的なモニターでしかありません。

例えば、ある地域でTwitter上に「干ばつ」「災害」「インフレ」「熱病」「失業」などの単語が頻繁に使われるようになることをモニターできれば、国連などの国際機関が早期に予防措置を取ることが容易になります。特に、官僚機構が整備されておらず、情報インフラも未発達で、疫病、異常気象、経済動向などの基本データをリアルタイムで把握できない開発途上国においては、このようなビッグ・データの分析が、状況の事前把握と予防的措置の開始にあたり、大きな威力を発揮することは容易に想像できます。

国連グローバル・パルス・チームは、こうしたビッグ・データの活用をコーディネートするためのユニットです。「開発のためのビッグ・データ」をテーマに、大学研究者、企業、NGOなどと協力して、この領域を発展させようとしています。わずか11人のチームですが、MITや世界経済フォーラムなどのパワフルな団体と協力し、またグーグルやマイクロソフトなどの大企業を巻き込んでいけば、インパクトの拡大は可能です。

もちろん、この手法には危険性も伴います。ビッグ・データの活用は容易にプライバシーの侵害に結びつくからです。プライバシー保護と両立しつつ、いかにビッグ・データを開発協力に活用できるか。今後の展開が楽しみですね。

http://www.nytimes.com/2013/08/08/technology/development-groups-tap-big-data-to-direct-humanitarian-aid.html?_r=0

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