スタンフォード・ソーシャル・イノベーション・レビューがインパクト投資を特集

最新号のスタンフォード・ソーシャル・イノベーション・レビューが、「インパクト投資はいつ現実的なインパクトを生み出すのか?」というタイトルで、インパクト投資に関する特集を組んでいます。SSIRは、過去にも何度かインパクト投資についての特集を組んでいるのですが、今回は、まさにタイトル通り、インパクト投資が現実にどのように機能するのかという観点からの分析でした。

とりあえず、特集を飾る論文「インパクト投資のインパクトを開く」という論文の概要を紹介しておきましょう。通常、インパクト投資は、「社会的収益と財務的収益の双方の実現を目指す投資」という形で定義されますが、この論文は、これをさらに精緻化し、「社会的または環境的分野における財、サービスあるいは派生的な利益(例えば雇用創出など)を生み出す事業に資本を積極的に投下することであり、投資収益期待は高度に譲歩的なものからマーケット・レート以上にわたる」と定義します。「積極性」を加えることで、受動的な社会的責任投資と区別し、また派生的な利益を加えることでより包括的にインパクトを捉えようとしている点が新たな点でしょうか。

その上で、この論文は、インパクトを「事業インパクト」「投資インパクト」「非金銭的インパクト」の3つに分けて包括的に分析しようとしています。その詳細は、論文の方をご参照いただければと思いますが、このような形で、現実にインパクト投資が「何の役に立つのか」を明確にしていく作業は、インパクト投資産業の発展にとって重要な意味を持っていると思われます。インパクト投資を巡る議論は、さらに活発化していきそうですね。

http://www.ssireview.org/articles/entry/unpacking_the_impact_in_impact_investing

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