成功報酬債券(米国版の社会的インパクト債券)は大々的に喧伝されていますが、カリフォルニア州ではまだ導入されていません。連邦政府の旗振りにもかかわらず、これが普及しないのは、このメカニズムをマネージする専門家が少ないことと、リスクが高いためになかなか民間投資家が参加に踏み切れないためです。ニューヨークのようにブルンバーグ市長が旗を振り、主要財団がバックアップするところでは大手金融機関が参加できますが、これ以外のところではなかなか導入が難しいというのが実情です。
こうした問題を踏まえ、ノンプロフィット・ファイナンス・ファンドとジェイムズ・アービン財団が新たなイニシャチブを立ち上げました。財団が250万ドルの資金を用意し、ファンドが専門的なサポートを行うことで、成功報酬債券のメカニズムを立ち上げ、民間投資家の資金を導入しようという試みです。新たなフィランソロピーの側面支援として注目されます。
インパクト投資にせよ社会的インパクト債券にせよ、民間投資家のコミットが注目を浴びますが、システムが立ち上がって機能するためには、こういう少額だけれども専門性とビジョンを持った資金とビジョンが不可欠です。財団と専門的なNPOの役割の重要性を改めて実感させられます。