評価の第五の波:社会的インパクト評価

ロックフェラー財団が、評価の「第五の波」として、社会的インパクト評価の定式化に乗り出しました。昨年、公開された「第五の波:社会的インパクト評価」という報告書が、この動向を簡潔に要約しています。

報告書によると、今まで、評価については、以下のような4つの大きな波がありました。

1)実験的手法の波
→1950年代から1960年代に登場した、実験的アプローチに基づく科学的評価手法

2)対話的手法の波
→1960年代に始まり、1980年代に普及した、マルチステイクホルダーの参加と評価を通じた学びを強調する手法

3)新自由主義的手法の波
→1980年代、新自由主義的経済政策に伴って導入されたニュー・パブリック・マネジメントの考えに基づく評価手法。行政活動のモニタリングと成果評価を重視する。

4)エビデンス・ベース手法の波
→1990年代から登場した、実証的なデータに基づく評価を重視する手法。オバマ政権は、このエビデンス・ベースの手法を、様々な政府プログラムに導入している。

こうした流れを受けて、新たに登場してきたのが、第五の波としての社会的インパクト評価です。これは、まだ形成途上にありますが、ビッグ・データやIoTによるモニタリングなど、最新のテクノロジーを駆使し、行政、ビジネス、非営利組織など、セクターを超えた「社会的インパクト」の達成度を評価することを重視します。このために、たとえば「developmental evaluation」の手法を積極的に取り入れ、平等主義的評価の考え方を重視します。

ロックフェラー財団は、今後、このコンセプトに基づき、社会的インパクト評価の普及に向けたツールキットの開発に乗り出すことが予想されます。これが、新たな社会的インパクト評価のスタンダードになり得るか、これからの発展が注目されます。

https://www.rockefellerfoundation.org/…/5th-wave-social-im…/

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