アキュメン・ファンドが米国内での活動を開始

社会的インパクト投資分野でパイオニア的存在のアキュメン・ファンドが、米国で活動を開始しました。開発途上国で培った「忍耐強い資本(Patient Capital)」アプローチと様々なインパクト評価手法を、米国でどのように展開していくのか注目されます。

アキュメン・アメリカのウェブサイトによると、当面の投資額は2社への80万ドルで、100万人の人々へのインパクトを目指すとのこと。投資先は、Healthifyという低所得者向けの保健医療サービス情報を提供する会社とWorkAmericaという職業訓練校で働く学生に就職のマッチングを行う会社です。共に、スマホアプリを軸としたテク・プラットフォームを開発し、低価格で良質な情報を提供する事業です。

さらに、今後アキュメンは、金融包摂、保健医療、雇用開発の3つの分野を中心に、特にシード・キャピタルやシリーズA投資を軸とし、専門家によるコンサルティングや投資後のフォローアップ支援などを組み合わせていくとのこと。手法的には、限りなくベンチャー・キャピタルに近いベンチャー・フィランソロピーという感じでしょうか。アキュメンの場合、投資専門スタッフを抱えているので、その強みを発揮した事業展開になりそうです。

アキュメン・アメリカのパートナーは、ベイン&カンパニー、バークレー、米国日立財団、ロバート・ウッド・ジョンソン財団です。米国日立財団は、80年代以来、一貫して日本企業の米国における社会貢献活動でパイオニア的な役割を果たしてきました。日本企業が、アキュメンのようなグローバルな団体とパートナーを組むのは画期的なことです。他の日本企業も日立に続いて、プレゼンスを示していってほしいですね。

国際開発協力分野において、社会的インパクト投資分野の発展に大きく貢献してきたアキュメンファンド。今度は、米国における挑戦になりますが、先進国の社会課題解決における社会的インパクト投資の可能性をぜひ切り開いていってほしいと思います。

http://acumen.org/america/

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