米国で進む社会的インパクト債の法制化

アーバン・インスティチュートが、現在、下院で法制化準備が進められている「成果報酬型社会的インパクト・パートナーシップ法(SIPPRA: Social Impact Partnership to Pay for Results Act)の概要を紹介する記事を掲載しました。

記事によると、SIPPRAの導入が、社会的インパクト債(米国では成功報酬債:Pay for Success)にもたらす影響は以下の通りです。

■2017年度に1億ドルを上限とした予算を計上。さらに、ある省庁の予算削減が別の省庁や地方政府の予算増をもたらすというwrong pockets problemの調整メカニズムも導入。

■各州・自治体のニーズに応じた多様な成果目標を許容。これにより、現在の主要ターゲットである失業、子供の福祉、疾病予防、ホームレス、高校ドロップアウト予防、10代の妊娠予防、幼児教育などの分野以外でも、プログラムの開発が可能に。

■公的機関のプログラムにおけるエビデンス重視を推進

■無作為化制御テスト(RCT)や疑似実験評価手法を軸とする評価を推進

■省庁横断的な協力を推進するために、社会的インパクト・パートナーシップに関する連邦政府省庁横断協議会と社会的インパクト・パートナーシップ委員会を設置。これにより総合的な評価、情報共有、施策を推進。

米国では、現在、上院でもエビデンス志向政策についてのヒアリングが進められており、オバマ政権が進めてきた成果志向、エビデンス志向政策の潮流が、超党派の支持を得て動き出しそうです。これは、社会政策における大きな政策転換の第一歩になるものとして注目されます。

http://www.urban.org/…/five-things-know-about-pay-success-l…

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