国際開発協力」カテゴリーアーカイブ

金融包摂における「BOP消費者保護」

CGAPが「ピラミッド最底辺の金融消費者が行う償還請求を機能させるために」という報告書を公開しました。

モバイル技術の発達により、マイクロファイナンスによる金融包摂の手法は多様な広がりを見せています。従来は、貯蓄、ローン、投資、保険などの金融サービスにアクセスできなかった貧困層を対象とした各種金融サービスが開発されています。しかし、こうしたサービスの拡大は、一方で「消費者」の苦情をどのように処理するかという問題を生じます。開発途上国の農村地域の農民が、はるか遠くの都市部に拠点を持つ金融サービスに苦情を申し立てるにはどうすればよいでしょうか。また、いまだに識字率の低い開発途上国の低所得者層にとって、文書による苦情の申し立てを行うのはコストも手間もかかります。

この報告書は、こうしたピラミッド最底辺の金融消費者に特有な問題点を踏まえて、消費者ホットラインの設置やモバイル電話による苦情受け付け、リモート・バンキング業者による対応などの様々なチャネルを通じた対応などを通じて、このような消費者にもアクセス可能な償還請求メカニズムを可能な限り多く用意するよう提言しているとのこと。

BOPビジネスは、開発途上国の問題解決をビジネスを通じて実現しようというものですが、ビジネスと消費者の間に圧倒的な情報・交渉力格差が存在する中では、BOPビジネスに特有の消費者保護システムが設計される必要があるということでしょうか。金融包摂の領域のみにとどまらない問題を提起していると思いました。

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企業にとって社会問題の解決はチャンスであるか?

ダイアモンド社ハーバード・ビジネス・レビューの記事から。ジョセフ・バウアー教授の議論は、「CSVのように社会的共有価値を強調しなくても、現在の政府は非効率で社会的課題を解決出来ず、企業が営利活動の一環としてこれにソリューションを提供することが出来る。社会的課題は巨大な需要があるから、これは企業に取っても大きなビジネスチャンスである。」という議論を展開しています。 続きを読む

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PopTech:テクノロジーとイノベーションが変えるフィランソロピー

クロニクル・オブ・フィランソロピーがPopTech年次総会の様子を紹介しています。PopTechというのはアメリカのNPOで、モバイルテクノロジーなどのイノベーションを通じた開発支援を行っている団体。年間予算わずか400万ドルで、クリントン・グローバル・イニシャチブやTEDトークに匹敵するようなインパクトのあるイノベーター会議を開催し、インパクト基金を通じて社会的企業家を支援し、さらにインパクト・フェローを通じて人材育成を行う。。。。 続きを読む

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ハドソン研究所が「グローバル・フィランソロピーと資金移転インデックス」2013を発表。

ハドソン研究所は、毎年、ODA、民間投資、フィランソロピー、その他という項目毎に、開発途上国向けの資金移動を独自に分析し、報告書の形で発表しています。現状では、OECDのDAC統計に民間フィランソロピー資金の統計が含まれていないため、この報告書は貴重な情報源になっています。 続きを読む

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モバイル・テクノロジーが変えるソーシャル・セクターの風景

ニューヨーク・タイムズの Ubiquitous Across Globe, Cellphones Have Become Tool for Doing Goodと言う記事が、モバイル・テクノロジーを駆使したソーシャル・イノベーションの現状をわかりやすく紹介していて面白かったのでシェアします。 続きを読む

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ビッグ・バン・フィランソロピー

クロニクル・オブ・フィランソロピー誌が、米国の中小財団によるビッグ・バン・フィランソロピーというユニークなプロジェクトを紹介しています。これは、毎年、100万ドル以上を開発途上国の貧困問題支援のために支出している小規模財団の連合体です。現在、12の財団や社会的インパクト投資団体が加盟し、緊密な情報交換を通じて、それぞれの団体のインパクトを最大化することを目指しています。

このプロジェクトの特徴は、頻繁に開催するビデオ・コンフェランスや電話会議などを通じて緊密に情報交換を行うけれども、グラント・メイキングの決定は、それぞれの団体が行う点。この意味では、大型財団がコンソーシアムを結成して特定の領域に共同で支援したり、基金を設立したりという、通常のCo-Fundingとは異なります。しかし、これら12の財団は、スタッフが限られている中、例えば、サイトビジットに入ったらその情報を共有し、また自分たちが支援しているプロジェクトの進捗状況を共有し率直に意見交換を行うことで、各財団だけでは達成できないインパクトを目指しています。もちろん、互いの関心が合えば、一つのプロジェクトに共同で支援することも可能。逆に、グランティーも、このグループに一括して申請することで、それぞれの財団に申請書を書くという手間を省くことが出来ます。

財団間の協働というのは、言うは易く行うは難し、の典型例ですが、こういう形で、拘束力はないけれど緊密なピア・ネットワークを築くというのは、長続きさせる一つのアイディアかも知れませんね。日本でもぜひ取り組んで欲しい事例だと思いました。

http://philanthropy.com/article/Foundations-Work-Together-to/142077/?cid=pw&utm_source=pw&utm_medium=en

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ゲーツ財団、JPモーガン他がグローバル・ヘルス投資基金を設立

JPモーガンのプレスリリースによると、同社はゲーツ財団他とのパートナーシップにより、グローバル・ヘルス投資基金を設立したとのことです。総額9400万ドルにのぼる基金は、グローバル・ヘルス分野に関する医薬品や治療法開発のための投資にあてられるとのこと。詳細は不明ですが、単なる財務収益だけでなく、社会的投資収益を加味したリターン計算がなされるとのことです。また、言うまでもなく、メザニン型の証券を設定することで、リスクの分割を図っています。 続きを読む

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アジアにもCSV(社会的共有価値の創造)ムーブメントが起きる予感

CSRアジア・サミット2013で社会的共有価値のワークショップが開催され、参加者からは熱い反応が寄せられたとの記事が、CSRアジアに掲載されました。参加者は、アジアの企業CSR関係者とNGO関係者。様々な議論がなされたようですが、基本的に、CSVのコンセプトは受け入れられ、アジアでどのように展開するかが議論されたようです。 続きを読む

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UBSが新興国の中小企業向けインパクト投資基金を立ち上げ

ソーシャル・エンタープライズ・バズの記事です。UBAが新興国市場の中小企業支援向けに5000万ドルの基金を立ち上げたとのこと。出資者は富裕層で、10%のリターンを最低限保証しているそうです。 続きを読む

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