ソーシャル・ファイナンス」カテゴリーアーカイブ

成果志向型システムの功罪

1980年代以降、英国、米国、NZ、オーストラリアなどで導入されたニューパブリック・マネジメントは、成果志向を全面的に打ち出し、様々な行政改革を行いました。その一つが「成果志向契約(Contracting for outcomes)」。行政が、業務委託契約や調達契約を行う際、事業成果に連動する形で報酬を支払うというシステムです。これは、その後、成果連動型補助金(Payment by Results)へと拡大しました。現在、日本でも注目を集めている「社会的インパクト債(Social Impact Bond)」も、この手法の一つです。 続きを読む

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貧困対策におけるエビデンス政策の両義性

先日、米国共和党が、「A Better Way: Our Vision for a Confident America」という貧困対策のための政策提言を発表しました。共和党と言えば、「小さな政府」の名の下に、富裕層減税と貧困層予算削減を主張する党という印象が強いのですが、今秋の大統領選挙を意識したのか、貧困対策に本格的に乗り出しました。 続きを読む

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社会的インパクト投資の最新動向とサードセクター論

先日、経済産業研究所の「サードセクター」研究会で、「社会的インパクト投資の最新動向」というテーマで発表させていただきました。プレゼン資料をブログの方にアップしましたのでご関心がある方はご覧下さい。なお、研究会では、もっぱらサードセクターにおける法人格の問題、特に社会的企業をどう設計するかに議論が集中しました。 続きを読む

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社会的インパクト債と「エビデンス」

「社会的インパクト債」の本質を理解するためには、これを「エビデンス重視政策(Evidence-based Policy)」の中で発展してきた「成果連動型助成(Pay by Results Grant)」におけるパブリック・プライベート・パートナーシップの一手法として捉える必要があります。社会的インパクト債は、政府の財政支出削減のための魔法のツールなどでは決してありません。 続きを読む

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チャン・ザッカーバーグ・イニシアチブ第一弾発表!

この情報ボックスでも何度か取り上げましたが、昨年、フェイスブックの創設者ザッカーバーグ夫妻が、娘さんの誕生を機にチャン・ザッカーバーグ・イニシアチブを立ち上げたというニュースが世界を駆け巡りました。このイニシアチブは、ゲイツ財団のような助成財団ではなく、社会的インパクト投資機関だった点でも、フィランソロピーの転換を告げる画期的な出来事として話題を呼びました。 続きを読む

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個人から始める企業の社会貢献「実践ガイド」

企業の社会貢献活動のあり方はどんどん多様化しています。企業財団設立、企業フィランソロピー、従業員ボランティアという従来型の手法に加え、現在は、企業の社会的投資、イノベーション支援、他セクターとの協働など多様な手法が発展しています。つい最近、一部の先駆的な企業が実践しているこれら新手法を自社でも開始したいと考えている企業担当者のための実践ガイドが公開されました。 続きを読む

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米国格差社会解消に向けた10億ドルのグランド・デザイン

深刻な格差・貧困の問題にあえぐ米国では、低所得者に対する経済機会創出に向けた取り組みが進められています。最近も、CITI財団が都市貧困層に対する経済機会創出プログラムに2000万ドルを投じることを表明しました。こうした中、ブリッジスパン・グループが10億ドルを投じて格差・貧困の問題に取り組もうというビジョンを発表しました。 続きを読む

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シカゴSIBの「成果」とこれを巡る議論

カタリスト・シカゴによると、シカゴの幼児教育に対する「社会的インパクト債(SIB: Social Impact Bond)」が当初プロジェクトで成功基準をクリアし、初期成果に対する50万ドルの「成功報酬」を投資家に保証した、と報道しています。 続きを読む

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アキュメン・ファンドが米国内での活動を開始

社会的インパクト投資分野でパイオニア的存在のアキュメン・ファンドが、米国で活動を開始しました。開発途上国で培った「忍耐強い資本(Patient Capital)」アプローチと様々なインパクト評価手法を、米国でどのように展開していくのか注目されます。 続きを読む

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NatWest SE100がソーシャル・ビジネス・クラブを立ち上げ

英国でソーシャル・ビジネス専門のインデックスSE100を運営しているNatWest銀行が、新たにソーシャル・ビジネス・クラブを立ち上げました。これにより、NatWest銀行は、ソーシャル・ビジネス支援を一層強化する予定とのこと。金融機関によるソーシャル・ビジネス支援のモデルケースとして注目されます。 続きを読む

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