社会的インパクト投資マーケット発展には、個人投資家の巻き込みが不可欠です。機関投資家や主流金融機関は、大型財団のリスクコントロールなしにはなかなかこの市場に参入してこないという現実が明らかになるにつれ、ソーシャルなマインドを持った一般投資家が、社会的インパクト投資に資金を投じることの出来る枠組みの必要性が明らかになってきました。 続きを読む
Share Meby「マイクロ・ファイナンス」カテゴリーアーカイブ
EUが欧州初の社会的企業向けソーシャルファイナンス立ち上げ
海外におけるソーシャル・ファイナンスの最新動向を知る一冊
ユヌス氏インタビュー
包摂的起業(Inclusive Entrepreneurship)の促進
インパクト・ソーシングの波が米国に逆輸入!
かなり以前ですが、「インパクト・ソーシング」というコンセプトを紹介したことがあります。これは、IT産業などでソフトの開発をするときなど、コーディングの一部を開発途上国にアウト・ソーシングすることで、開発途上国の若者の雇用支援や教育支援を行おうというもの。米国のNPOが中間支援団体として入り、米国の大手IT企業と交渉しながら、作業の中の比較的簡単な部分を開発途上国のNPOに回し、開発途上国側では若者を訓練して、その仕事を通じて雇用します。採用された若者には、大学進学のための奨学金なども支給されるというシステムです。Digital Jobs AfricaやSama Groupなどが有名です。 続きを読む
Share MebyCGAPが金融包摂に関する最新データを発表
金融包摂における「BOP消費者保護」
CGAPが「ピラミッド最底辺の金融消費者が行う償還請求を機能させるために」という報告書を公開しました。
モバイル技術の発達により、マイクロファイナンスによる金融包摂の手法は多様な広がりを見せています。従来は、貯蓄、ローン、投資、保険などの金融サービスにアクセスできなかった貧困層を対象とした各種金融サービスが開発されています。しかし、こうしたサービスの拡大は、一方で「消費者」の苦情をどのように処理するかという問題を生じます。開発途上国の農村地域の農民が、はるか遠くの都市部に拠点を持つ金融サービスに苦情を申し立てるにはどうすればよいでしょうか。また、いまだに識字率の低い開発途上国の低所得者層にとって、文書による苦情の申し立てを行うのはコストも手間もかかります。
この報告書は、こうしたピラミッド最底辺の金融消費者に特有な問題点を踏まえて、消費者ホットラインの設置やモバイル電話による苦情受け付け、リモート・バンキング業者による対応などの様々なチャネルを通じた対応などを通じて、このような消費者にもアクセス可能な償還請求メカニズムを可能な限り多く用意するよう提言しているとのこと。
BOPビジネスは、開発途上国の問題解決をビジネスを通じて実現しようというものですが、ビジネスと消費者の間に圧倒的な情報・交渉力格差が存在する中では、BOPビジネスに特有の消費者保護システムが設計される必要があるということでしょうか。金融包摂の領域のみにとどまらない問題を提起していると思いました。